校長挨拶

 44名の新入生を迎え、全校児童数322名で本校の令和6年度がスタートしました。昨年度単学級で生活した新2年生も転入児童が入って2学級となったため、2年ぶりに全学年が2学級編制で教育活動を進めることができます。

 学園の教育目標「こころざしをもち、共によりよく生き抜くたくましい子」に向かって、学園で目指す6つの姿を実現するために、全教職員が一致協力して、教育活動を進めてまいります。今年度は、目指す6つの姿のうち「自ら求めて学び続ける子」と「お互いの幸せを願う子」の2つを重点に据えました。子供一人一人が、たくましさとしなやかさを兼ね備えた社会の創り手に成長することができるよう保護者、地域の皆様と協働しながら、全力を尽くしてまいります。  

  さて、本校では、今年も「自分も相手も大切にする子(3年目)~東小の文化をつくる(2年目)~」を重点目標に掲げました。文化とは、「そこで生活する人の間に定着していく習慣や考え方」と押さえています。「自分も相手も大切に」して生活する中で本校の文化が築かれていくと考えています。築いていきたい東小の文化の中身として、「相手を大切にした聞き方」「相手に届くあいさつ」「いじめのない学校・学級」の3つを子供たちと共有しています。これらは、「どの子も楽しいと思える浅羽東小にするためのアイディア」として子供たちから出された意見をベースに考えたもので、全校で大切にしていきたいと考えている習慣や考え方です。

  「あいさつ」については、私自身、子供たちと2年間一緒に過ごしてくる中で、質的にかなり向上してきたと感じています。目を合わせてあいさつのできる子がずいぶん増えました。今年度本校に赴任した職員が、登校初日の子供たちの様子を見て、「とっても気持ちのよいあいさつができる子供たちだなぁと思いました。」と話していました。子供たちの「あいさつ」を認めてもらえたことは非常に喜ばしく、子供たちを誇らしく思いました。令和6年度からの2年間は、小さな親切運動静岡県本部から学園内の小中学校が「あいさつ運動協力校」に指定されています。本校児童が地域へもあいさつの輪を広げていってくれることを期待しています。

 「聞くこと」については、個人、集団による差を感じているところです。子供たちには、始業式で人の話をしっかり聞くことが自らの学びを豊かにすることにつながると伝えました。「人の話をよく聞くこと」が「授業がよくわかる」「勉強が楽しい」という充実感につながっていることを子供自身が実感できるとよいと考えています。

 「いじめのない学校・学級づくり」にあたっては、始業式で「いじめとは何か」について、次のように子供たちと確認しました。そして、保護者の皆様ともPTA総会の折に共有しました。

いじめとは、だれかの心や体が傷つくようなことをすることです。インターネットを使ってやるものも含みます。自分が「いじめではない」と思っていたとしても、相手の子が「心や体が痛い、苦しい」と感じていたら、それはいじめです。具体的な行為としては、「悪口など、言葉の暴力」「仲間外れや無視」「たたく、けるなどの暴力」「お金や物をとる」「お金や物をかくす、壊す、捨てる」「(服を脱がしたり、一人で係の仕事をさせたりするなどして)心を傷つける」ことなどがいじめにあたります。

 子供の心を深く傷つけるいじめの撲滅に向けて、今年度も強い決意をもって取り組み、だれにとっても安心・安全な学校づくりに教職員一丸となって努めてまいります。いじめをしてしまう児童をいたずらに責めたり、排除したりするのではなく、「なぜいじめをしてしまうのか」「いじめが起こったら、いじめに気づいたらどうすればよいのか」「いじめをなくすためにはどうしたらよいのか」を子供たちと議論し、考えていきたいと思います。

  学校生活は、すべてが楽しいことではないかもしれません。子供たちは苦労や失敗も経験するはずです。それでも、どの子供にも 「学校が楽しい」と感じてほしいと願っています。そのためにも、子供たちが「やってみよう」と思えるような関わりや支援していきたいと考えています。「やってみよう」という思いを持てた子供たちが前向きにチャレンジする、その中で周囲の人の存在や関わりに「感謝の気持ち」を持ち、「なんとかなる」という自信をつけながら「ありのままの自分」を大切にして成長していってほしいと願っています。皆さまのお力添えをいただきながら、本校児童が真に「自分も相手も大切にする子」に成長していけるよう全力を尽くしてまいります。

  本年度も本校の教育への御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

 

                                                                 浅羽東小学校    校長  田中 慎