校長挨拶

 今年度の本校新入生は35人、全校児童数、328人で令和5年度がスタートしました。1年生は、本校開校以来初めてとなる単学級の学年になります。

 今年度も学園の小中学校教育目標を「こころざしをもち、共によりよく生き抜くたくましい子」とし、学園で目指す6つの子ども像の実現のために、全教職員が一致協力して、教育活動を進めてまいります。子ども一人一人が、たくましさとしなやかさを兼ね備えた社会の創り手に成長することができるよう保護者、地域の皆様と協働しながら、全力を尽くしてまいります。  

 コロナ禍が明け、期待が膨らむ令和5年度です。本校児童の実態と課題を踏まえながら、子どもたちのよさを伸ばす一年にしたいと思います。

 令和5年度も学校重点目標を「自分も相手も大切にする子」としました。昨年度までの取組により、この目標は子どもたちにも教職員にもかなり浸透してきています。相手の気持ちも自分の気持ちも大切にしている子どもたちの姿が、様々な場面で見られるようになりました。

 今年は、保護者の皆様とも、地域の皆様とも「自分も相手も大切にする子」という目標の共有を深め、協働しながら子どもたちの成長を支援していきたいと考えています。さらに、2年目となる今年は、「自分も相手も大切にする子」という目標を達成していく子どもたちの姿や言動が、本校の文化となっていくことを願って、「東小の文化をつくる」というサブ目標を追加しました。

 昨年のカタールワールドカップやWBC2023で日本代表選手や監督、スタッフ、サポーターなどの様々な言動が世界の目に留まり、注目され、賞賛されました。代表チームの戦績そのものも素晴らしかったのですが、試合以外のところでも、日本人の習慣や考え方、日本の文化が認められたような気がして、同じ日本に住む者としてうれしい気持ちになりました。

 「文化とは、そこで生活する人の間に定着した習慣や考え方である」と押さえ、始業式で子どもたちと共有しました。浅羽東小学校で「自分も相手も大切にして」生活する子どもたちと教職員の間に、どのような習慣や考え方が定着していくのか、楽しみでなりません。「自分も相手も大切にする」私たちの習慣や考え方が、サッカーのWCWBCで日本代表が国内外から認められたように、「校内外の人々から認められるものになっていくのか」へのチャレンジだと考えています。

 校長としては、今年は「相手を大切にして話を聴く」「相手に届くあいさつをする」「いじめは絶対に許さない」という3つは意図して本校の文化にしたいと考えています。令和5年度の終わりに本校にどんな文化がつくられているのか、やがて伝統として受け継がれていくようなものの土台が築かれているのか、期待で胸が膨らみます。

 2022224日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は一年以上経った今でも続いています。ウクライナの人々の窮状を想像するだけで苦しさを覚えますが、日本を含めた世界の多くの国々で、安心・安全が脅かされている現状があります。今年2月6日に発生したトルコ・シリア地震では、東日本大震災を上回る多くの人々が犠牲となり、今も多くの被災者が支援を必要としています。世界にも国内にも有効な解決策を見出せない様々な問題が山積しています。どれだけの大人が世界の明るい未来を思い描けているでしょうか。

 それでも、私たちは、子どもたちには明るい未来への希望や夢をもってほしいと願っています。それを可能にさせるのは、「子ども一人一人がもっている無限の可能性」と「教育の力」であると信じています。子どもたちの可能性を引き出し、よりよい教育を推進していくためには、学校と家庭、地域の協働が不可欠です。皆さまのお力添えをいただきながら、本校児童が真に自分も相手も大切にする子に成長していけるよう全力を尽くしてまいります。

 ワクワクする楽しい浅羽東小学校をみんなでつくっていきます。本年度も学校教育への御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

 

             浅羽東小学校    校長  田中 慎