修学旅行記③(6年生) 11月8日(水)
2023年11月8日 13時14分2日目も朝から晴天に恵まれました。早朝に部屋から出てくる子もなく、子供たちは各部屋で6時40分のモーニングコールまで静かに過ごしているようでした。7時からは、宿泊していた6階、7階から1階に移動してのバイキング形式の朝食です。朝食会場に続々と子供たちが向かってきます。「おはようございます」ホテルの従業員さんに対するあいさつの声があちこちから聞こえてきました。
ご飯、おみそ汁、卵焼き、焼き鮭、ミートボール、フルーツ、ヨーグルトなど、列に並んで好きな物を好きな分だけお皿にのせていきます。
テーブルごとにおいしくいただきました。
食後は部屋に戻って、荷物をまとめて8時にはホテルの前に集合しました。
子供たちが去った各部屋を確認してまわりました。忘れ物がないかが一番重要ですが、使い終えた部屋がきれいになっているかも少し気になります。そんな中、男の子たちが使っていた一室で、バスタオル等が見当たらない部屋がありました。「どこにまとめて置いてくれたのかな?」バスルームをのぞくと、床にきれいにたたんでおいてありました。「あれ、これって使ってあるバスタオルだよなぁ」独り言を言いながらよく見てみると、バスタオルの上にメモ用紙と折り鶴が置いてありました。
折り鶴を見てピンと来ました。「カタールワールドカップの日本代表だ!」昨年のサッカーワールドカップで日本代表が使用したロッカールームが使用後、とてもきれいになっていたこと、そしていくつもの折り鶴とともに「ありがとう」のメッセージが置いてあったことが話題になりました。
バスルームから明るい場所へバスタオルとメモ用紙、折り鶴を移動させました。「いつもきれいにしてくれてありがとうございます」そんな言葉が記されていました。感動で体が震えました。「なんてステキな物を見せてもらったんだろう」そう思いました。バスルームの片隅に置いてありました。見回りをしてたまたま気づきましたが、学校の職員はだれも気づかないかもしれません。子供たちは、ホテルで働く従業員の方に、お礼の気持ちを伝えていたのでした。「かっこよすぎる!」興奮したまま他の部屋も点検して回りました。男子の部屋でもう一つ、お礼を伝えるメッセージが残された部屋がありました。「自分も相手も大切にする」そんな6年生の子供たちの行動をうれしく思いました。
ホテルの前で整列し、全員で支配人さんはじめホテルの従業員さんにお礼を言いました。つづいて支配人さんがお話しして下さいましたが、「私たちの仕事のやりがいはお客様からのこういったお言葉です」とおっしゃっていました。さきほど私が見た子供からのメッセージをもう見つけたのかな???と不思議に思っていたら、何やら手に紙を持っていました。子供たちがバスに移動し始めてから、「よろしかったら、見せていただけますか」と支配人さんにお願いして見せてもらうと、子供たちが書いて渡してくれたお礼の手紙でした。職員に言われて書いた物ではなく、自主的に書いた子供がいたようです。
子供たちの中に優しい「相手を大切にする」心が育っていることを実際に見ることができてうれしかったです。折り鶴付きのメッセージの話についてもデジカメの写真を見せながら、担任の先生方に伝えました。先生たちは、私が喜んでいる以上にもっともっとうれしそうでした。
ところで、ホテル前で整列して先生の話を聞いている子供たちの姿をじっと見ていた外国人の方々が3人いらっしゃいました。その場を立ち去る際、あいさつして「何か気になることでもありましたか?」と尋ねると、「子供たちが整然と並んで話を聞いている姿があまりにすばらしくて・・・」片言の英語で説明してくれました。聞けばイタリアから旅行に来られた方々だそうで、日本の子供たちの礼儀正しさ、きちんとした態度に感動したとのことでした。修学旅行2日目の朝は、実に清々しいさわやかな始まりになりました。(つづく)