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観音山冒険日記(最終回) 2月14日(水)
2024年2月14日 08時10分観音山3日目、最終日の朝の集いは屋外の集いの広場で実施することができました。2日目に教えてもらったキノコ体操を所員さんと先生のリードでみんなで楽しく行いました。「やるときは楽しんで思い切りやる」ここでも5年生の文化が見られました。「みんなでやると何だか楽しい!」そんな気持ちがわき上がってきているかのようなステキな笑顔がたくさん見られました。
最終日の活動は、沢登りです。濡れてもよい靴に履きかえ、自然の家を出発しました。真冬に冷たい沢に入る・・・考えただけで体が震えてきそうです。出発前に、所員さんからは、「必ず最初に足をぬらしてください!」という指示がありました。どれくらい冷たいのだろうか、足の感覚はまひしてしまわないだろうか・・・そんなことを心配しながらも、途中、滝がいくつか見られること、ロープを使って登る難所もあることの方が楽しみで、沢に向かって山道を10分くらい下りました。
一列になって、沢に下りていくと、きれいな水の流れの音が聞こえてきました。水は澄んでいて川底がしっかり見えます。幅は2m程度、最初に渡った沢の水深は20㎝程度でした。
勇気を出して、足を水につけた子供たちが声を上げます。「つめたっ-!」「きゃーっ!」一歩一歩川底の様子を確かめながら進む子、バチャバチャと水しぶきを上げてかけ抜ける子、滑らないかと心配しながら歩く子、こんなのなんともないとつき進む子、意地でも靴をぬらすまいと水上に飛び出た石の上を歩こうとがんばる子もいました。
実際、足を水につけた時は凍るように冷たいのですが、水から上がりしばらく歩いていると靴の中の水が温まり逆に足先はポカポカしてきて不思議でした。加えて沢登りでは、沢の横の小道を登っていきます。かなりの運動量があるので、体全体が温まり寒いと感じることはまったくありませんでした。
子供たちは、清流にいる沢ガニやメダカくらいの小さな魚を見つけていました。沢登りでは、道なき道を進まなくてはならない場所、無理してのぼるか回り道をするか自分で選んで進む場所、所々に歩きにくい狭い場所やゴツゴツした岩場もあり、前日の冒険ラリーの時とはひと味違う大変さを感じた子供たちもいたと思います。最大の難所は「ガメラの背中」でした。ロープを持って大きな岩をよじのぼらなくてはなりません。万が一に備えて、岩の上と下に職員を一人ずつ配置するよう所員さんから指示されていたので、先生たちも少し緊張していました。それでも子供たちはたくましくロープをつかんで自力で岩をのぼっていきました。
沢登りの目的地にたどり着き、帰りは沢沿いの林道を歩いて帰りました。濡れた靴の履き心地でさえも心地よく感じられる達成感がありました。
観音山での最後の食事は、「おわカレー」です。じっくり煮込まれたおいしいカレーでした。「おわカレー」だけはお代わり自由です。「お代わりしても大丈夫だけど、帰りのバスでえらいことにならないように、食べ過ぎには注意してね!」と伝えました。それでも、多くの子供たち、先生たちがお代わりをして、観音山の味を楽しみました。デザートのムースもおいしくいただきました。ムースに担任の先生の名前を書いていた子供たちがいました。
食後に、荷物の整理をし、すべての荷物を持ってお別れの集いを行いました。感想発表では、北小、東小、それぞれ代表児童一名が、三日間の体験で学んだことを発表しました。校旗が降納されると私たちの活動がすべて終わったことを実感しました。所員のみなさんにさよならとお礼を告げ、観音山を後にしました。最後まで旗を振って見送ってくださった所員の皆さんには、本当にお世話になりました。皆さん、優しいステキな大人でした。
子供たちは息を切らせてのぼった夢の坂を来た時と同じように大きな荷物を持って下りました。のぼった時の気持ちとは、まったく違っていたと思います。
学校へ戻ってからの帰校式も立派な態度で行うことができました。
行事の精選で、宿泊学習を取りやめたり短縮して実施したりしている学校もありますが、袋井市ではこのような体験的な学習を大切にしています。引率する先生たちもたいへんですが、教育的価値はとてつもなく大きいと感じます。帰校してからの5年生の様子を見ていても、観音山でのすべての経験が子供たちを大きく成長させてくれたと感じます。