5年生の観音山冒険記⑤(最終回) 2月5日(水)
2025年2月5日 08時30分楽しかった宿泊体験学習もあっという間に3日目の朝を迎えました。
冷え込みが厳しく、空気が冷たい朝でしたが、青空が広がる清々しい日となりました。
朝のつどいで、国旗とともに、北小、東小の校旗を掲揚台に掲げるのもこれが最後です。起立して、帽子をとり、掲揚される旗に注目するだけの行為ですが、朝の澄んだ空気の中、全員でピシッとやると心が落ち着き、身が引き締まる思いがしました。キノコ体操をするのもこれが最後かな?!と思うと、さみしい気持ちになりました。キノコ体操を始める際に、前に出てみんなのお手本になって体操してくれる子を募りました。すぐに何人かの男の子たちが前に出てきてくれました。どうせやるなら楽しくやった方がいい、子供たちのそんな雰囲気がステキだなと思いました。
笑顔でキノコ体操をして体をほぐし、所員さんのお話を聞きました。
三日目の朝食は、パン。子供たちに聞いてみると、ご飯よりもパンの方が好きという子が若干多いような気がしました。最後のプログラム、沢登りへの期待も高まっていてどの子も笑顔で朝食を済ませました。
所員さんたちに見送られ、いよいよ沢登りに出発です。沢の入口にたどり着くまで、10分くらい山道を下りました。歩きにくい場所もあり、時折、前の人との距離が空いてしまうこともありました。沢には、澄んだきれいな水が流れています。飲めそうなほど透明な水ですが、見るからに冷たく、沢に足を入れるのには少し勇気が必要でした。靴をぬらさないで進めないかと挑戦している子もいましたが、遅かれ早かれ、みんな靴をぬらして沢に沿って登っていきました。前の人を追いかけ、列に付いていくために必死に歩いていくうちに体もだんだんと温かくなり、「冷たい!冷たい!」と言っていた子供たちの声も止みました。沢沿いに歩道があるわけではありません。沢の右側を歩いたり、左側を歩いたりしなくてはなりません。石の大きさや斜面の様子、足場の状態を見ながら、どのルートを歩くのか、どこで沢を渡るのか、瞬時に判断して進みます。もちろんすぐ前に人がいれば、その人の歩いたところを歩けば済むのですが、間が開いてしまうと戸惑ってしまいます。ロープをつたいながら歩く箇所や足場がないため木製の板を渡してある箇所もありました。一番の難所はロープをつかんでよじ登る「ガメラの背中」と呼ばれる大きな岩でした。終わった後で所員さんが「こんなに大勢の子供たちがチャレンジする学校は珍しいです。」とおっしゃっていたほど、ほとんどの子がガメラの背中をよじ登りました。時には自然と拍手が起こるほど、恐怖心と戦いながら頑張っている子もいました。まさに大冒険という感じがする場所でした。
沢から上がった後は、沢沿いの林道を歩き、再び山道を登って自然の家に戻ってきました。「沢登りが一番心に残った」と多くの子供が話していました。
昼食は、観音山名物「おわカレー」でした。ご飯も多めに炊いていてくださったので、2杯目をいただいた子もたくさんいました。
部屋の掃除をして、荷物を持って部屋を出るときには少しさみしい気持ちになりました。「お世話になりました。」だれもが心の中でそうつぶやいているようでした。
子供たちの観音山での大冒険は「お別れのつどい」で終了しました。二泊三日の大冒険を経て、初日に目にした子供たちの不安げな表情は一つもありませんでした。「自然のよさ」「友達のよさ」そして、「自分のよさ」を発見した子供たち。表情からは、大きなことをやり遂げた自信のようなものを感じました。6年生に向けて、大きく前進した5年生、これからの活躍を楽しみにしています。