





本校には、日本以外の国にルーツをもつ子供たちが約1割在籍しています。そのため、日本語の習得がまだ十分ではない子供たちのための教室「たんぽぽ」が設置され、担当の先生が週に数時間取り出して日本語の指導を行っています。
世界に数千あると言われる言語の中でも、日本語はかなり難しい言語だと言われます。使用する文字だけ見ても、英語ではアルファベットだけですが、日本語ではひらがな、カタカナ、漢字という3種類の文字を使っています。その上、漢字には音読み、訓読みがあり、さらに別の漢字との様々な組み合わせでも使われるので、読み書きだけでもたいへんです。さらにそれを使いこなすこととなったら、容易なことではないでしょう。日本人の中にも漢字が苦手な人もいるくらいですから、家庭で日本語以外の言語を使っている子供たちにとっては相当な困難があるだろうと想像します。
たんぽぽでの授業を参観に行くと、1年生がカタカナを一生懸命勉強していました。普段の教室とは違う少人数、日本語のレベルもだいたい同じお友だちとの勉強なので安心して楽しそうに、そして一生懸命学んでいました。先生の目も声も一人一人に届くので、気を抜くこともありません。みんながんばっていました。
カタカナの「シ」と「ツ」はよく似ています。子供たちが勉強している姿を見ながら、私自身、中学2年生の時、国語の先生に「カタカナの『シ』が違う!」と指摘されてはじめて正しいカタカナの「シ」が書けるようになったことを思い出しました。当時の私は、「ツ」と同じように左側から書き始めていました。「シ」は上から・・・と知ったのは、恥ずかしながら中2の時でした。
たんぽぽで日本語を勉強している子供たちには、母語と日本語と英語、3つの言語を習得できる可能性があるわけです。少しうらやましく感じます。子供たちのこれからの成長と活躍が楽しみです。










本日、地域で保護司として活動されている浅田さんが、ゆたかなこころの授業の講師としてお越し下さいました。
保護司とは、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティアです。法律に基づき,法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員ですが、報酬はありません。
保護司として関わった人やその家族の多くが「これからは人に迷惑をかけないようにしたい」とおっしゃるそうです。生活の中で私たちが、人にかけたりかけられたりしている迷惑について考えるところから授業は進んでいきました。
迷惑とは、その人の行為が他人に不利益をもたらしたり、他人を不快な気持ちにさせたりすることです。だれのうちにも自分の利益を優先しようとする気持ち(利己)と他人の利益を大事にしようとする気持ち(利他)が存在するというお話がありました。迷惑は利他の気持ちが薄くなりすぎると起こるのかもしれません。浅田さんは、子供たちにこの「利他」の考え方も人と仲よく協働して生きていくために大切にしてほしいとおっしゃられました。本校の重点目標「自分も相手も大切にする」と重なるお話でした。
さらに、「総合的に」「科学的に」そして「批判的に」ものごとを見ることの大切さも教えて下さいました。水筒も下から見れば、円に見えますが横から見れば長方形に見えます。見方を変えると違った見え方がするものです。浅田さんは自分が中学で出会った当時、不良として見られていた友達が、実は妹思いの優しい子だったという体験談を話してくださいました。
人の話やテレビで聞いたこと、自分に入ってきた情報をすべて鵜呑みにするのではなく、批判的に見ることも大切です。事実や真実ではないことを誤解して受け取ってしまうこともあるからです。
浅田さんはこれまで生きてきていろいろ考えてきた中で、子供たちに伝えたいと思ったことを今日はお話してくださったのだと思います。
とても有意義な時間になりました。










今年の本校のALTはロドニー先生ですが、今日は、同じ会社から、フェリペ先生がロドニー先生のピンチヒッターとして本校に来てくださいました。
3年生から6年生まで、一クラスずつで授業をしてくださいました。フェリペ先生の授業を受けた皆さん、授業を楽しむことはできましたか。
私も授業を参観させてもらいました。先生の自己紹介から始まり、出身国のこと、今住んでいる浜松のことなど、いろいろな話を英語で聞いたり、子供たちから先生に質問したりして楽しく勉強していました。
残念ながら、本校では学年が上がるにつれ、英語が好きではなくなっていく傾向があります。そのまま中学に進学したら、「英語は苦手で・・・」なんて気持ちで中学校の英語の勉強が始まることになってしまいます。
私は元々中学で英語を教えていたので、授業を見ていると、英語が嫌いになっていく理由がなんとなく見えてきます。中学年くらいから、恥ずかしさに負けて英語の発音練習の際、声を出さなくなっていく子供が出てくるのです。先生の後について英語を発音する、言語を学ぶときには絶対に欠かすことのできない練習ですが、それをやりたがらない子が出てくるのです。その雰囲気が周囲にも広がると最悪です。
英語の音は、日本語の音とは違います。リズムもアクセントも日本語とは違います。それをまねして練習することをさぼるわけですから、英語が嫌いになっていくのも当然です。後から練習しようと思っても、きちんと言えないことの方が気になってますます練習しにくくなります。
年配の日本人の中には、ディズニーランドの「ディ」やティッシュの「ティ」の発音ができない方がいらっしゃいます。元々の日本語には、「ディ」や「ティ」の音がないから仕方のないことです。ディズニーランドを「デズニーランド」と言う人がいるのはそのためです。現代の日本語には、「ディ」や「ティ」の音は普通に入っていますが、英語にはそれ以外に日本語にない f 、 v、 z、 th、 r、 l の音が存在します。「ア」の音だけでも英語には、3種類存在します。その音の練習をできるだけ若い(幼い)うちにやればやるほど、正しい英語の発音ができるようになるのですが、「英語は大事だけど、声を出して練習するのは恥ずかしい」と考えてしまう人が多いようです。恥ずかしさに負けず、楽しくやってほしいと参観しながら思っていました。
さて、フェリペ先生に浅羽東小の印象を聞いてみました。
・自然豊かな環境で、建物も新しくキレイですてきだなと思った。
・子供たちは、人なつっこく(フレンドリー)で笑顔で声をかけたりあいさつしてくれたりして、優しい子たちだなと思った。
・授業では、たくさん質問してくれてうれしかった。眠そうにしていた子もいたけど、ほとんどの子が楽しく一生懸命勉強してくれた。
・スペイン語で話し掛けてくれる子もいた。多様性が認められているすばらしい学校だと思った。
・先生たちもとっても優しく親切でした。
たった一日でしたが、ステキな出会いになりました。












総合的な学習の時間で、環境をテーマに学習を進めている5年生が、「森林ESD出前講座」を受講しました。ESDとは「持続可能な開発のための教育」と訳されます。
今日は、掛川森林組合、静岡県林業会議所、静岡県くらし・環境部の皆様、そして掛川市で商環境プロデューサーとして会社を経営されている方など、多くの皆様に御来校いただきました。ステキな大人の皆さんと交流を持つことができ、有意義な1時間となりました。
我が国の国土に占める森林の割合は67%、静岡県でも64%が森林だそうです。しかし、林業に従事する人の数は十分ではなく、荒れ放題の森林も増えているそうです。袋井市は農地が多いため、森林の割合は36%だそうですが、諸井の里山がかつて人の手が入らず荒れていたように、市内にも手入れの行き届いていない森もあるようです。
森林は様々な意味で重要だと言われます。森林が荒れたり破壊されたりしてしまうことで、土砂災害などの自然災害が起こることもあります。森の木は、家などを建てる際の重要な資源です。二酸化炭素を吸収してくれる森林は地球温暖化防止にも大きな役割を果たしています。また、豊かな森が育まれることで、魚や貝類、海藻などが大きく育ち海も豊かになると言われ、林業と漁業にはつながりがあるとも言われています。
授業では、林業に従事する講師に山の仕事についていろいろと質問をしました。子供たちの質問と回答を模造紙にまとめて下さる方もいて、2枚の模造紙に今日学習したことがしっかり整理されました。
今日の授業で、将来林業に就きたいなと思った人はいないかもしれませんが、森林について考えるきっかけにはなったと思います。諸井の里山での学習にもつながるはずです。
森林ESD、子供たちだけでなく我々大人も森林について学ばなければ、やがては持続可能ではなくなる・・・のかもしれません。世界に目を向ければ、アマゾン川流域ではものすごい速度で熱帯雨林が伐採されています。
5年生の子供たちが大人になるころ、地球上での私たちのくらしが持続できているのか、環境問題だけでなく、今世界ではみんなで知恵を出して解決していかなければならない様々な問題が起こっているのです。
キラキラとした目で学ぶ5年生の子供たちが、きっと明るい未来の世界をつくっていってくれるでしょう。




先週9月9日(土)に今年度2回目のPTA奉仕作業を実施しました。御参加下さった皆様、ありがとうございました。
台風が持ち込んだ蒸し暑さの残る中でしたが、皆さん一生懸命作業をしてくださいました。2学期のスタート、そして運動会の練習が始まる前に校地内がたいへんきれいになりました。
本市ではすべての学校がコミュニティ・スクールを推進しています。コミュニティ・スクールとは、学校と保護者、地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子供たちの豊かな成長を支えていく学校の仕組みのことです。
本校にも保護者の代表、地域住民の代表で構成された学校運営協議会が設置されています。また、保護者の皆様からは学期末の学校評価等で御意見や要望をうかがっています。それでも、直接顔を見ながら、子供たちのこと、本校の教育活動のことについて生の声を聞いてみたいなという思いがあります。単なる要望ではなく、「子供たちの豊かな成長」につながる知恵と力をいただけたらと願うのです。
奉仕作業当日、何人かの保護者の皆様とあいさつを交わすことはできましたが、じっくりお話しするということまではできませんでした。少し残念に思っています。
今後もPTA行事などに積極的に御参加いただき、職員ともいろいろ話をする中で、よりよい浅羽東小づくりのための知恵やアイディアをいただけたらと願っております。
PTAの役員の皆様には、奉仕作業後に、企画委員会のためお集まりいただきました。今年度のPTA活動の進捗状況と今後の計画を確認するとともに、新年度役員選出の方法について確認しました。役員の皆様、ありがとうございました。
明日、12日(火)には祖父母奉仕作業を予定しています。
皆様の本校への御支援に心から感謝申し上げます。










5年生は、地域の皆様を講師にお迎えして、ゆたかなこころの授業を受けました。一年に一回、すべてのクラスを訪問して下さいます。
今日は、3人の方が講師としてお見えになり、次回講師を務めようと準備をしている方もお一人どんな様子なのか見学に来て下さいました。地域の皆様が子供たちの健全な成長のため、力を尽くして下さっていることに心から感謝申し上げます。
今日の授業は、前半は主に体と心の成長に伴う性の指導、後半は大型絵本を使っての読み聞かせでした。
子供が性犯罪に巻き込まれることも少なくありません。正しい知識と適切な対応方法を知っておく必要があります。私たち教員も性に関する指導はしていますが、通常の授業と違い、指導のやりにくさ、難しさを感じる若い教職員もいます。いろいろな年代の方や教員以外の方が、思いをもってそれぞれの言葉で大切なことを子供たちに伝えることは効果的だと思います。
子供たちも多少はニヤニヤしながら、時には友達と顔を見合わせながら、それでも真剣にお話を聞いていました。
読み聞かせの絵本は、「花さき山」というお話でした。他者への優しさ、思いやり、自己犠牲、「自分も相手も大切にする子」という本校の重点目標にも重なるお話だなと思いながら、子供たちと一緒に絵本の世界に引き込まれていきました。
「この花さき山 いちめんの花は みんなこうしてさいたんだ。つらいのをしんぼうして 自分のことより 人のことを思って なみだを いっぱいためて しんぼうすると、そのやさしさと けなげさが、こうして花になって さきだすのだ。」
自分のことよりも相手のことを大切に思うことは、すばらしいことだと思います。でも、小学生の子供たちに、涙をいっぱいためて辛抱してほしいとは思いません。いつか必要な場面で、そんな自己犠牲の選択をすることがあるかもしれないし、いずれはそれができる人になってほしいとは思いますが。
絵本の中では、お姉ちゃんが妹のためにお母さんに甘えるのを我慢していた場面がありました。私たちの生活の中では、そういう我慢や辛抱はつきものです。小さな我慢や辛抱の積み重ねでも、小さな花がたくさんたくさん咲いていくのだと想像します。
昼休み、楽しそうに外で遊ぶ子供たちの姿が見られました。
ドッジボールをしている子たちもたくさんいました。自分ばかりボールを投げる子、いっしょにやってはいるけど一度もボールにふれていない子もいました。自分ばかりが楽しんでいる子どもたちには、たまには参加できていない友達に「投げてみなよ」とボールを手渡せる優しさが身についていくといいな、自分以外の人の様子を見渡せる心の大きさも必要かな、そう思いながら見ていました。でも、まだ小学生。学校での様々な経験をとおして、子供たちが成長していってくれることを願っています。
地域の皆様がそのために力を貸して下さっていること、本当にうれしく思います。ありがとうございました。




6年生が1年生と楽しそうにいっしょに遊んでいました。自分も 相手も大切にして、楽しく昼休みを過ごす子供たちの姿がたくさん見られたステキな一日になりました。






朝読書の時間帯、おいしい給食課の栄養教諭さんが4年1組を訪問して下さいました。今日は、「大切ですよ!朝ごはん」とのタイトルで、子供たちとなぜ朝ごはんが大切なのか、どんな朝ごはんのメニューが理想的なのかをいっしょに考えました。
全国学力学習状況調査の結果からも、朝食をしっかりとっている子はとっていない子よりも正答率が高いという結果がかなりはっきりと出ています。
朝食をとることで、私たちの体内の3つのスイッチが入るそうです。脳のスイッチ、体のスイッチ、そしておなかのスイッチです。脳のスイッチは学校での学びに影響します。体のスイッチは、起きてからの行動に影響します。そして、おなかのスイッチは朝の排便や規則正しい生活リズムの確立につながります。
朝食でとるべき食品、栄養素についてもお話がありました。理想の朝食がとれているという家庭は、袋井市内では20%程度だそうです。お話を聞きながら・・・残念ながら我が家も20%には入っていないことが発覚しました。
食事は子供たちの健全な成長のための重要な要素です。これから学校まで歩いて登校し、運動したり勉強したりしようとする我が子の朝食について、もう少し考えたいなと反省しました。






今朝の登校時、多くの子供たちのあいさつの声が元気がないように感じました。中には、目を合わせることもなく正門をくぐっていく子もいて気になりました。週の後半の木曜日、疲れが出ているのかもしれません。
「あいさつする元気もないです」「朝からそんな元気ではありませんよ」そんなふうに思っている子もいるかもしれません。でも、中には「あいさつするから元気が出るんです」と考えている人もいます。そして、その人のあいさつがだれかの元気の源になることもあるのです。「相手の心に届くあいさつ」が東小の文化になるといいなぁと思いました。
さて、今朝は、読み聞かせボランティア、ぐりとぐらの皆さんが5年生を訪問して下さいました。教室を訪れると子供たちが真剣に読み聞かせに聞き入っていました。1組も2組もとってもいい雰囲気でした。
本を通じて、子供たちの心が豊かになっていくと思います。ボランティアさんたちとの交流を通じて、子供たちの心が温かくなっていくと思います。ありがとうございました。








今日は、5年生が諸井里山の会から戸塚さん、金原さんをお迎えして、里山について学習しました。
1学期にアースキッズチャレンジに参加した5年生、環境について関心を高めています。
2学期は、1学期に全校で出掛けた諸井の里山について学習し、身近な環境を守るために自分たちにできることを考えていきます。小学生の子供たちにどんなことができるか、未知ではありますが、主体的な取組に期待しています。
今は、子供たちにとっても、地域の方々にとっても憩いの場となっている諸井里山ですが、かつては雑草が生い茂り、人も入らず、道路や水路がどこにあるかも分からなくなっていたそうです。
平成14年、学校にビオトープを作りたいと、当時の校長先生たちが地域の皆さんに持ちかけたそうです。それをきっかけに15人の有志の方々、様々な技術や能力を持った方が集まり、どうせならもっと大きなビオトープを作ろうと、諸井里山の会が立ち上がったそうです。埋もれた水路の土を取り除き、田んぼには木道を設置し、山には階段を作り、花壇や緑木を植えるなど、力を合わせて整備をしたそうです。
今では、里山の自然がよみがえり、子供たちも駆け回っています。トンボやカブトムシ、セミや小鳥も身近に見られるようになりました。
本日のお話の中でこの里山を守っていく上で、いくつもの課題があることも教えていただきました。例えば、里山の会のメンバーの高齢化による後継者不足です。台風や集中豪雨などによる災害後の復旧はかなりたいへんだそうです。子供たちに関わることで言えば、トカゲなどの生き物を探したり捕まえたりする際に、花壇や石段などの石を転がして、そのまま放置されてしまうということも多いとのことでした。
今日のお話を聞いて、子供たちはどんなことを考え、心ではどんなふうに感じたのでしょう。
地域の宝である子供たちは、地域の力でもあります。里山を含め、地域の自然、環境を守るために子供たちが力を発揮してくれることを期待しています。
里山の会の皆様、本日はありがとうございました。